集中力の高め方(1)
集中力、一言でそう言っても大人と子どもでは集中できる時間にも差があります。例えば大人が集中できる時間は15分といわれています。ここに休憩を上手にはさむことで一度に90分間まで集中は持続させられると言われています。
一方子どもの場合はどうでしょうか。幼児は年齢+1分と言われています。つまり2歳であれば3分間、3歳であれば4分間集中力を保つことができるのが一般論ということです。これに比べ極端に集中できる時間が短い子どもは一度集中力について考え直してみるといいかもしれません。生活の中で意外なところにその原因があるのかもしれません。集中力が養われるのは7歳までの時期と言われています。家庭での物的な環境や親とのかかわり方が重要になってきます。ここでは子どもの集中力を高める方法、また集中力を低下させてしまう原因について紹介します。
■整理整頓の重要性
小学生以上の子どもで問題になっていいるのは、やはりスマホやゲームの普及です。常に誰かと連絡がとれる環境にあったり刺激的なゲームで遊ぶ時間が長いと、いざという時にスマホやゲームが気になって集中力を低下させてしますのです。
子どもは外的な刺激に敏感に反応します。その最も強い刺激・誘惑がスマホやゲームでしょう。幼児であれば、食事中におもちゃが目に入るようなであれば集中できない環境といえます。まずはご自宅の環境整備を考えてください。食事、着替え、歯磨きなど身の回りのことをしようとしたときにおもちゃが目に入っていませんか?やるべきことに集中するためにはそのことに集中できる環境を作ることが大切なのです。また片付けを自分で行うと物の管理能力や集中力を高める効果があります。食事の前や就寝前などに片付けの声掛けをして、子どもの片付けに対する習慣作りをしてみてください。これが集中する力をつけたり気持ちを切り替えるトレーニングにもなります。
■過保護、過干渉
集中力の源泉は自立心です。自分自身の判断で物事に取り組んだとき、大人子どもに限らず高い集中力を示すことができます。子ども自身がやろうとしているのに周りの大人がやってあげてしまうのは甘やかしであり、過保護過干渉です。子どもが自ら取り組む方向に向けるのが大人にできることなのです。
■無理な勉強
将来は有名な私立小中や大学に進学させたいと考える親御さんも多いのではないでしょうか。とにかく早期から学習習慣をつけたいと考え、無理に勉強をさせようとしてしまうことがありますがこれはNGです。特に子ども自身が楽しんでいない勉強は学習ではなく過酷な労働と言ってもよいでしょう。学ぶというのは何も幼児期に読み書きができることや数字や算数がわかることではありません。虫に興味を持ったり車に夢中になったり、好きなことを探求していくことこそが学習なのです。少なくとも幼児期においては学習の始期は重要ではなく、探求心や夢中になれる力といったことが就学後の土台となるのです。幼児期に強制的に勉強をさると親の指示がないと動かない子になったり逆に反抗ばかりする子になってしまう場合もあります。あまり期待が大きくなり過ぎないよう、子どもの自主性を尊重してあげてください。
■親のイライラ・両親のケンカ
本来安らぐ場所であるはずの家庭で親御さんがイライラしていたら子どもはどう感じるでしょうか。親の機嫌が悪い日が多いと子どもは親の顔色を伺うようになり、集中力が散漫になると言われています。両親がケンカばかりしていると子どもはビクビクしてしまい、楽しく遊んでいてもどこかでまたケンカが始まるのではないかと気になってしまいます。目に見えない問題ですが、これもやはり家庭内の環境整備が必要なのです。親御さんが心穏やかに家にいるためには何をすればいいでしょうか。一度自分自身を見つめなおしてみて下さい。
(2)へつづく